2026.1.24トピックス
厚生労働省は、「第208回 労働政策審議会 職業安定分科会 雇用保険部会」において、令和8年度の雇用保険料率に関する案を示しました。今回示された案によると、一般の事業に適用される雇用保険料率の全体は、令和7年度の1.45%から0.1%引き下げられ、令和8年度は1.35%とされる見込みです。近年の雇用保険財政の改善を背景に、保険料負担の見直しが行われた形となります。
内訳をみると、失業等給付費等に充てる保険料率については、令和7年度の0.7%から令和8年度は0.6%へと引き下げられます。一方、育児休業給付費に充てる保険料率は0.4%のまま据え置かれ、雇用保険二事業に充てる保険料率についても、0.35%で変更はありません。失業等給付分と育児休業給付分は労使折半で負担し、二事業分は事業主のみが負担するという仕組みも、これまでどおり維持されます。
この結果、令和8年度の雇用保険料率は、労働者負担が0.50%、使用者負担が0.85%となります。全体としては小幅な引き下げではありますが、企業と労働者の双方にとって、一定の負担軽減につながる内容といえるでしょう。雇用保険料率については、法律に基づき、失業等給付、育児休業給付、雇用保険二事業のそれぞれに「弾力条項」が設けられています。これは、雇用保険財政の状況に応じて、一定の範囲内で保険料率を調整できる仕組みです。今回の部会では、令和6年度決算を踏まえた最新の財政状況が検証され、その結果、失業等給付分については引き下げ基準を満たしていると判断されました。この判断を受けて、厚生労働省は失業等給付費等充当徴収保険率を0.1%引き下げる案を提示し、了承されたものです。一方で、育児休業給付分や二事業分については、今後も安定した財源確保が必要とされており、今回は料率を据え置くことが適当とされました。少子化対策や雇用の安定に向けた施策を継続していくためには、一定の財源を確保しておく必要があるという考え方が背景にあります。
今回の雇用保険料率引き下げは、企業にとって人件費負担の軽減につながる明るい材料といえます。ただし、その影響は決して大きなものではなく、雇用保険財政や経済情勢の変化によっては、将来的に再び料率が引き上げられる可能性もあります。雇用保険制度は、景気動向や失業率の変化に大きく左右される制度であることを、改めて意識しておく必要があります。また、雇用保険料率の改定は、企業経営と労務管理の両面に影響を与えるテーマです。今後も制度の動向を継続的に注視し、安定した雇用環境の維持に向けた取り組みを進めていくことが求められます。

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